誰も知らない | 鈴木(仮名)の『アメリカ発日本行き』

誰も知らない

こんばんは鈴木(仮名)です。
皆さん映画『誰も知らない』をご覧になりましたか?
カンヌ国際映画祭男優賞を受賞した柳楽優弥のおかげで誰も知らないで終わるはずの映画がみんなに知られてしまいましたね。
たしかに、彼の演技はいいです。だからといってポスターとかをジャニーズバリに裸で撮影する必要もない気がしますが・・・
物語やキャストの詳細は下の写真をクリックしてください。

実話をベースに作られた作品ということで、ちょっと暗めの話です。
母親(You)と明(柳楽優弥)がアパートに引っ越してきたところから話は始まる。近所には二人暮らしと言って回るが、実際は子供が4人の5人暮らし。
子供達は戸籍上生まれていなかったことになっているため、学校にも行かず明以外は家から一歩もでないという生活を送っている。
そうは言っても、三男のガキがあれだけ騒いでれば、東京辺りの安アパートなら隣に声が聞こえそうなもんだけど、そんな細かいことは気にしない。
で、ある日母親に男が出来て突然いなくなり、そして誰も知らない子供達だけの生活が始まる。

この母親役のYUOは彼女にも賞をあげてもいいくらいのはまり役。見事に馬鹿女を演じています。といっても、バラエティーに出てる時のあのまんまなのに馬鹿女がまさにはまってるというのもどうかと思いますが・・

その後、はじめはしっかりしていた子供達の生活も、次第に荒れて行きゴミだらけ、電気水道を止められて、公園で炊事トイレ洗濯をするようになり、ワルの友達が出来たり、服もぼろぼろになりと、もう見てるほうが誰か知ってやってくれと願ういながら見てしまいます。

実話を元に作られたフィクションというだけあって、柳楽優弥が兄弟思いのいい兄貴に描かれ、非常に共感が持てるんだけど、ぶっちゃけ実際の事件とかなりかけ離れてます。
設定だけ使ったんか?っていうくらいです。
みなさん実際の事件をご存知ですか?
『巣鴨子供置き去り事件』明とその友達連中で、うるさい三女を折檻して殺し死体をうめるという内容です。とても兄弟思いと思えません。
しかも、みんな衰弱しきってとても映画のように元気にさわやかな状態ではありません・・
最後は大家に見つかり兄弟達は保護されて、明と友達は逮捕という結末。とても映画になりません。
この映画を作った是枝裕和監督はきっとタイトルをつけた時、実話の事件を



誰にも知られてたくない




と願いを込めたのかなと思ってしまいました。



タイトル: 誰も知らない